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一口に「コミュニケーション能力」や「コミュ力」と 言っても、その言葉が何を指すのかは分かりづらいものです。

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こんにちは
株式会社空き家総合研究所「劇ゼミ」の原(ハラ)です!

「コミュニケーション能力は大事!!」と言われれば
多くの方は当然のように
「まあ、そうですよねぇ」となると思います。

くだけた言い方では「コミュ力」といったりもしますし
一応市民権を得ている言葉であると認識しています。

もちろん、「演劇を手段に教室を作る」我々からしても
この「コミュニケーション能力」を向上させることは
ひとつの目的であったりするわけです。

しかし一口に「コミュニケーション能力」や「コミュ力」と
言っても、その言葉が何を指すのかは分かりづらいものです。
またはたしてコミュニケーションが上手にとれることは本当に能力なのでしょうか。

ちょっと調べてみましょう。

コミュニケーション能力を心理学ではどのように見ているのか

以前のブログにも書きましたが
いままで曖昧に認識されてきた概念を
ちゃんと言葉を使って定義して
計測可能にしてあげるのが
「心理学」の役割のひとつですよね。

ということで
早速Google Scholarを使って論文検索です。
「コミュニケーション能力 心理学」
とでも入力して検索してみましょう。

心理学はコミュ力をどのように考えているのでしょうか。

検索結果の論文のうち
「引用元」の数が多そうな論文を
ざっと見てみましょう。

すると例えば
藤本 学,大坊 郁夫(2007).コミュニケーション・スキルに関する諸因子の階層構造への統合の試み パーソナリティ研究 第 15 巻 第 3 号 347–361
なんかがヒットしましたね。
(今回は査読の有無などは割愛しています)

中身を見てみると
・そうかコミュニケーション「スキル」という言葉を使うのか。
・定義は学問や国によって異なるのかな。
・なるほどあるスキルが文化共通なのか特有なのかで分類を変えたほうがいいのか。
・おおきな階層分けとして「コミュニケーションスキル」「ソーシャルスキル」「ストラテジー」の3つを考えているのか。
・この論文ではコミュニケーション能力を下記の6つの「スキル」に分解しているな。
「自己制御」「表現力」「読解力」「自己主張」「他社受容」「関係調整」
なんてことが分かります。

またこの論文が引用している論文や
この論文を引用している論文などを
探っていくとさらに理解が深まりそうですが
今回はそこまで深堀するのはやめます。

上記以外にも論文では、6つに分解したスキルをさらに細かく分解していますね。
その中には「感情抑制」「表情理解」「他者尊重」などの
非認知能力と思われるものがある一方
「言語表現」「言語理解」などの認知能力っぽいものも含まれています。
また個人的に「期待応諾」「支配性」などのサブスキルについては
「能力」ではない領域が含まれるのでは?とも思われる部分があります。

ここまでで私が思うのは
コミュニケーション能力(≒スキル)は
おおよそ認知能力と非認知能力の足し合わせなのだろう
ということです。
(この論文が完全に正しい証拠は当然ないので)

少なくともこの論文内のようにコミュニケーションスキルを前記の6つに分けた場合
コミュニケーション能力は下記のように分解されるのではないかなと思います。

コミュニケーション能力っぽいもの=認知能力+非認知能力+α

α部分は、「(教育が困難または向上に再考の余地のある)個人の特性」といった部分で
上記でいう「『能力』ではない領域」だと思います。

上記の式のα部分を除いた
ピュアな「認知能力+非認知能力」を
的確な言葉で定義できるように
心理学という学問は今後も日々磨かれていくのでしょう。

コミュニケーションを分解してみて

ということで話はタイトルに戻って
コミュニケーション能力を分解してみたいというお話ですが
ここまでの流れを考えると
コミュニケーションは能力と特性に分けることができて
能力は認知能力と非認知能力に分類できるのではないか
ということです。

「非認知能力にコミュニケーション能力が含まれる」
という考え方もあるようですが

上記のように
「コミュニケーション能力のなかに
一部の非認知能力が含まれている」

という考え方が一番しっくりくるのではないかな、なんて思います。

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